常楽の焼酎造り

焼酎原料米の選定

1.焼酎原料米の選定

米焼酎、芋焼酎、麦焼酎など造る焼酎の種類によって原料米の品種を国内産で選びます。 特に米焼酎は「球磨焼酎」という「地理的表示 GI球磨」が認められたブランドで、人吉・球磨地方で生産された地域流通米を基本的に使用します。

洗米、浸漬

2.洗米・浸漬

ドラム式自動製麹機に米を入れ、流水と送風で米に付いた糠をきれいに洗い流します。その後、水に漬ける浸漬を行いますが、日本酒製造のように限定給水は行わず、米に十分な量を給水させます。それによって、最終的な焼酎の甘味に繋がっていくのです。これらの工程に使われる水は全て、仕込み水同様、日本三大急流の一つ球磨川の伏流水(球磨・人吉の地下水)を使用するので、球磨焼酎と謡うことができるのです。

蒸し、放冷、種かけ

3.蒸し、放冷、種かけ

しっかり給水させた米を高温の蒸気で約60分蒸し上げます。米の芯まで蒸さないと焼酎の辛味が増すので、前述の十分に給水させることが重要になってくるのです。蒸し上がった米を送風によって冷やし、麹菌を散布できる適温まで放冷してあげます。ここから更に重要な工程、種かけ(麹菌の散布)です。蒸し上がった米は無菌状態なので、しっかりと手を洗い麹菌を散布します。その後、ドラムの回転により麹菌を米全体にまぶしていきます(手造り麹でいう床もみ効果)。ドラムを30分ほど回転させた後、静置して一晩麹菌を育成させます。これが米麹ができる第一段階です。

製麹(米麹の育成)

4.製麹(米麹の育成)

翌朝、一晩育成させた米麹を調風搭製麹棚へ移し広げ、更に育成させます。(棚盛り)。米麹は菌の増殖により熱を出すので適温になるよう送風で冷やし、また温度が上がると冷やすを機械制御によって24時間育成させます。翌日には、米の表面に麹菌の菌糸が伸び米麹の完成となります。

1次仕込み

5.一次仕込み

出来上がった米麹を仕込み水・焼酎酵母と一緒にタンクへと仕込みます。これが一次仕込みです。
一次醪(もろみ)は仕込んだ翌日からアルコール発酵が盛んになり温度が上昇するので、蔵人の手によって醪と対話し櫂棒(かいぼう)で混ぜ、更には冷却器で醪を適温に保つよう管理します。
ここでは酵母の増殖が目的であり、いかに酵母を増やせるかが重要になってきます。それが焼酎の香り・味を左右するので気が抜けません。ここで約6日から7日間、醪を管理し次の工程二次仕込みへと移っていきます。

2次仕込み

6.二次仕込み

一次醪に仕込み水と蒸した米を仕込むのが二次仕込みです。一般的に焼酎の場合は二段仕込みが主流なので、この工程により更なる発酵を促します。ここでも発酵により温度が上昇するので、冷却により発酵を抑制し、酵母の香りを損なわないよう蔵人が醪との対話と温度管理を行います。ここでは酵母が出すアルコールの程良くフルーティーで、甘い香りが蔵の中に漂い、蔵人の心を和ませてくれます。その後2週間ほど発酵・熟成させ二次醪の完成です。

蒸留

7.蒸留

いよいよ最終工程の蒸留です。
蒸留には常圧蒸留と減圧蒸留があり、常圧は通常の気圧で、醪の中に直接蒸気を入れる方法です。
減圧とは蒸留機内部の気圧を真空状態にして、醪の沸点を下げる方法です(沸点 約40℃)。常圧蒸留は簡単に言うと、芳醇(こってり系)な焼酎になり、減圧蒸留はすっきりフルーティーな焼酎になります。
発酵・熟成させた二次醪を蒸留機に入れ、蒸気で加熱し揮発したアルコールが冷やされ出てくるのが焼酎です。最初に垂れてくる部分を初垂れと言い、アルコール度数も高く(60%以上)華やかな香りがします。その後、中垂れ・末垂れと甘味、旨味成分が入った焼酎が垂れてくるので、その3つの絶妙なバランスが焼酎の味・香りを決めるのです。
そこを見極めるのが杜氏の腕の見せ所。こうして出来上がる焼酎が、球磨焼酎(本格米焼酎)となるのです。

貯蔵

8.貯蔵

蒸留したての焼酎は通常、油分を取り除くため濾過を行います。
なかには濾過をしない焼酎(無濾過)を好まれるお客様もいらっしゃいますが、基本的に濾過をして貯蔵します。
自社の貯蔵方法はタンク貯蔵と樫樽貯蔵があり、タンク貯蔵製品は6ヶ月以上、樫樽貯蔵製品は24ヶ月以上の熟成を行います。それによってまろやかさが加わり、更に焼酎の味を引き立ててくれるようになるのです。
樫樽に貯蔵した焼酎は琥珀色に輝き、バニラのような甘い香りも感じます。貯蔵方法により多彩な顔を覗かせてくれるのも焼酎の醍醐味ではないでしょうか。

瓶詰め

9.瓶詰め

一定期間の貯蔵、熟成を経た焼酎を製品の度数や味わいに合わせた割り水を行います。樫樽貯蔵製品は、ブレンダーによる調合を行い、味の調和を図ります。 完成した焼酎をオートメーションのライン上で洗瓶した瓶に充填機で注ぎ入れ、キャップ締め、目視による異物混入チェックを行い製品のラベルが貼られて完成です。常楽酒造の蔵人たちの想いが詰まった焼酎を全国の皆様へお届けいたします。

常楽のこだわり
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経営理念
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商品の紹介
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